お湯割り研究所

SATSUMA SHUZO

OYUWARI LABO

奥が深い、
お湯割りの香り。

摩酒造株式会社
研究開発室室長
島田 翔吾

香り。という観点から焼酎の美味しさを
探求し続ける摩酒造研究開発室室長島田翔吾さんに
お湯割りが美味しい理由を伺いました。

摩酒造研究開発室とは。

研究開発室では、香り、成分、微生物関係、酵母など
焼酎を構成する様々な要因を変えることで、味がどう変わるのか。
8名の研究員で、お湯割りに限らず、焼酎やお酒全般について
日々研究しています。私自身、鹿児島大学の焼酎学講座から摩酒造に入社しました。
大学の発酵学の授業の中で、水と米と芋だけで焼酎が造られるということを
知り、そこから興味を持って焼酎の勉強を始めたのがきっかけです。
研究開発室では主に、基礎研究と商品開発の2つの視点から進めています。
例えば、研究開発室の枠を飛び越えマーケティング部なども参加する
月一回の打ち合わせで「時代に合わせてフルーティなものを造りたい。」
そんな意見や考えが出ると、試作品を造ってみて
新たな商品を開発していくという流れです。
市場調査から焼酎業界のトレンド、あるいは研究員それぞれの研究、
伝統的な焼酎の味や文化など、摩酒造らしさを守りながら新たな焼酎の味を追求しています。
研究というと、少し机の上での話とイメージされがちですが、
杜氏さんと話して、現場に出向いてものづくりをしていく。現場第一主義でものづくりを進めています。

お湯で割ることは、
香りを立てること。

大学時代、香りの研究をしていたこともあり
お湯割りの香りの成分は何なのかを解明していきたいと考えています。
香りの感じ方は個人差があるため、それを数字で表せるようになれば嬉しいです。
お湯割りは、温めたお湯を入れることで
焼酎に含まれる香り成分が飛びやすく香りが開きやすい。
さらに、温度が上がることで香りが際立つ。
原理はこうなのですが、これを数値化することにチャレンジしたいです。
お湯割りの香りひとつとっても、意外と奥が深いと思っています。

焼酎の香りの正体とは。

濃度で香りが変わる成分が焼酎には入っています。
また、芋焼酎にしか含まれない香りの成分として
モノテルペンアルコールという成分があります。
濃度によっては、芋が傷んだような香りになったり、柑橘の様な香りになったりします。
濃度次第ではオレンジとかレモンに近いような香りになってくるのです。
アロマなどでも使用されてる成分ですね。
焼酎の香り一つでも、いろいろな成分が多様に重なり合って
ひとつの味を表現しています。
でも、私のような焼酎の研究者は多くありません。
そこが弱みでもあるのですが、
逆に調べることがまだまだある興味深い分野だと考えています。

実は、焼酎は夏の季語。

少し難しい話が続いてしまいましたが、
お湯割りに関しては、やはり一度飲んでみてほしいです。
どんなお酒も一度試してみることをオススメしています。
意外と思われるかもしれませんが、お湯割りは夏に飲むのもいいんです。
実は焼酎は、夏の季語。
お湯割りを飲むと、汗をかきますよね。
汗をかくと身体がひんやりする。ということから
夏の季語にもなっているんですね
だから実は、お湯割りは年中楽しめる飲み方。
さらに、焼酎本来の味を楽しむのに最適な飲み方として
みなさんにも是非飲んでいただきたいですね。

島田 翔吾

  • 摩酒造株式会社
  • 研究開発室室長
  • お湯割りが
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