鮫島 吉廣 さめしま よしひろ
鹿児島大学焼酎製造学研究室教授
大学卒業後、ウイスキーメーカーを経て鹿児島県の焼酎会社に入社。
製造部長・研究所長を努めた後、鹿児島大学焼酎製造学研究室教授に就任。

時代とともに、お酒の飲み方も変ってきました。
かつては、特別な日に酔いを求めて飲まれていたお酒も、
今日では毎日健康的に、食事と一緒に楽しみたいという方が増えています。
あたたかく、体にやさしい、しかも
いろんなジャンルの料理との相性のよい芋焼酎のお湯割りは、
現代人にお勧めしたいモダンな飲み方です。
芋焼酎をお湯で割ることで、料理に合わせて手軽に、
ワインや清酒などと同程度のアルコール度数に調整することができます。
糖分やエキス分を含まない芋焼酎は、スッキリとした飲み口。
繊細な日本料理はもちろん、お湯割りのあたたかさで
油分を融かし流す働きもあるので、コッテリ系の洋食にもよく合います。
冷たいお酒は、ノド越しや清涼感を楽しむもので、
急激に飲むと一気に酔いが回ったり、体を冷やしてしまいがちです。
体温に近いものは、体にやさしいといいます。
特に料理と一緒にお酒を飲む場合は、
胃や腸を必要以上に刺激しないお湯割りが理想的です。
芋焼酎のお湯割りには、飲み頃の温度というのがあります。
温度が高すぎると、旨味より先に刺激や辛味を感じてしまいがち。
人肌程度のお湯割りは、あたたかさとともに芋焼酎本来の旨味を楽しむことができます。
目安は、お湯割りの器を手に持って、「熱さ」ではなく「あたたかさ」を感じる温度です。
一般的な25度の芋焼酎は、焼酎工場で蒸溜したアルコール37度の原酒に、
水を加えて25度に調整されたものが出荷されています。
これを5:5のお湯割りにして飲む場合、芋焼酎と同量のお湯を加えるわけです。
つまり、お湯割りの半分は、私たち自身が加えたお湯だと言うことになります。
水道水や蒸溜水、湧き水や温泉水、アルカリイオン水や海洋深層水など…
お湯割の「お湯」にこだわってみるのも楽しいかもしれません。
芋焼酎とお湯をあわせて、飲み頃の濃度と温度にする。
お湯割りのレシピはこの上なくシンプルです。
だからこそ、気分や体調、食べ物などにあわせて、
芋焼酎の割合を加減したり、酒器や演出に工夫を凝らしたり、
自分流のスタイルを楽しみたいものです。